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「家に帰りたい」と言われたとき|否定せず安心につなげる会話の考え方

認知症のある方から『家に帰りたい』と言われたとき、言い争わず、理由や体調を確かめ、安全と安心につなげる対応を解説します。

この記事の要点

  • 「ここが家です」と事実だけで説得する前に、「帰りたい」ほどの不安や用事があることを受け止めます。
  • 時間、場所、空腹、排せつ、痛み、疲れ、騒音、家族への心配など、言葉の背景を一つずつ確かめます。
  • 急な混乱や体調変化、安全に関わる外出があるときは、家族だけで抱えず医療・介護職へ早めに相談します。
この記事の目次
  1. 最初の返事は、正しさより安心を優先します
  2. 言葉の背景を6つの順で確かめます
  3. 対応を記録すると、次の安心につながります
  4. 早めに専門職へ相談する場面

自宅にいるのに「家へ帰る」、施設から「今すぐ帰りたい」と言われると、ご家族は戸惑います。けれど、その言葉が指す「家」は現在の住所とは限りません。以前の家、家族のいる場所、仕事や家事をしていた頃の役割、安心できる居場所を表していることがあります。認知症だからと一つの原因に決めず、その方の言葉として聴くことが出発点です。

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最初の返事は、正しさより安心を優先します

「違うでしょう」「帰れません」とすぐ訂正すると、分かってもらえない不安が強くなる場合があります。まず「帰りたいのですね」「何か気がかりがありますか」と、気持ちと用事を短い言葉で確かめます。答えを急がせず、目線を合わせ、周囲の音や人の出入りが少ない場所へ移るだけで話しやすくなることもあります。本人の訴えを一律にそらしたり、事実と異なる説明で納得させたりするのではなく、その人に合う方法を探します。

根拠:厚生労働省認知症介護研究・研修センター(DCnet)

02

言葉の背景を6つの順で確かめます

  • いつ・どこで強くなるか:夕方、食後、面会後など
  • 誰や何を心配しているか:家族、仕事、戸締まり、食事など
  • 身体の不快がないか:空腹、排せつ、痛み、暑さ・寒さ、眠気
  • 環境の負担がないか:騒音、照明、知らない人、予定変更
  • 安心できる手掛かりは何か:写真、音楽、なじみの品や言葉
  • 落ち着けた対応は何か:一緒に歩く、お茶、簡単な家事、家族との連絡など

根拠:厚生労働省認知症介護研究・研修センター(DCnet)

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対応を記録すると、次の安心につながります

日時、直前の出来事、ご本人の言葉、体調、試した対応、その後の様子を簡潔に残します。一度うまくいった方法が毎回同じとは限りませんが、繰り返す時間帯やきっかけが見えると、家族・介護職・医療職で対策を考えやすくなります。外へ出ようとする場合は、言い争うより先に安全を確保し、可能なら落ち着いて付き添い、支援者へ連絡します。安易な施錠や行動制限を当然の対応にせず、本人中心で代わる方法を検討することが大切です。

根拠:厚生労働省認知症介護研究・研修センター(DCnet)

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早めに専門職へ相談する場面

急に混乱が強くなった、発熱・痛み・息苦しさ・転倒などを伴う、眠れない状態が続く、本人や周囲の安全を保てない場合は、認知症によるものと決めつけず、主治医、担当ケアマネジャー、地域包括支援センター等へ相談してください。生命の危険が疑われる場合は救急要請を含め、地域の緊急対応を優先します。

PRIMARY SOURCES

出典・確認資料

  1. 身体拘束廃止・防止の手引き厚生労働省(確認 2026.08.16)↗
  2. 続・初めての認知症介護(徘徊・興奮暴力・帰宅願望編)解説集認知症介護研究・研修センター(DCnet)(確認 2026.08.16)↗
  3. 認知症施策厚生労働省(確認 2026.08.16)↗

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